月別アーカイブ: 2014年11月

継続は力なり。

ご無沙汰しております、先日ようやく“ひんやりシーツ”を普通のシーツに取り換えた小田です。
やはりこの時期、布団は温かいほうがいいですよね。温かいと温かいで、朝布団から出られなくなって困ったりもしますけど。

そんなこんなで、昨日をもちまして、萌木の会@用賀で開催していた数理能力錬成コースを終了させていただきました。
2011年の9月に始めたコースですので、ほぼまるまる3年間、ご指導させていただいたということですね。
最初から最後まで通い続けてくれた子も何人かいて、そのうちの1人、小学1年生から来てくれていた子は、いつの間にか問題を解いて「シールをもらうこと」より「問題を解くこと」そのものに関心が向くようになっていました。
そういう成長を見ていると、とても嬉しくなりますよね。その成長はもちろん、私だけの力でなしえたものではなく、むしろ、私が与えられた影響というのはそれほど大きくないと思います。それでも、そういった子供の成長に少しでも関わらせてもらえた、というのは、すごく幸せなことだと思います。

もうひとつ、教室で指導をしているときの“幸せ”というと、子供たちが問題に集中して取り組んでいる瞬間が見られる、というのもありました。
正直なところ、授業時間中ずっと集中できる子、というのは基本的にはいなくて、特に低学年の子供だと、遊んだり騒いだりしている時間ももちろんあります。
しかし一方で、そういった子たちも含めて、教室にいる全員が、自分の目の前にある問題に集中している瞬間、というのも必ずあるのです。
その瞬間はとても美しく、その空間にいられるから、という理由だけでも、こういう仕事をしていてよかったな、と思います。

まだ実績もあまりなかった私に、コース運営の機会を下さり、運営にご協力くださった萌木の会の皆様。大事なお子さんを私に預けてくださった保護者の皆様。そして、私の出す課題に一生懸命取り組んでくれた子供たち。本当にありがとうございました。

さてそういうわけで、12月からは、木曜日も池袋の事務所での個別指導の枠を解放いたします。
また、年末年始には冬休み特別日程として、平日昼間等にも枠を設けますので、よろしくお願いいたします。

 

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冬休み特別日程のご案内(2014・冬 12月22日~1月9日)

数理学習研究所、個別指導は、冬休み期間中下記の日程で行います。
冬休み中のみのご参加も大歓迎です。

12/22
9:00~12:00
12/23 12/24
9:00~12:00
12/25
9:00~12:00
13:00~19:00
12/26
9:00~12:00
13:00~16:00
12/29 12/30
9:00~12:00
13:00~19:00
12/31
9:00~12:00
1/1 1/2
1/5
9:00~12:00
1/6
9:00~12:00
13:00~19:00
1/7

14:00~19:00

1/8
9:00~12:00
13:00~19:00
1/9

13:00~19:00

※ その他、12月28日(日)および1月4日(日)は通常通り14:00~19:00の時間帯で承ります。

※ 1月11日以降は通常通りの日程で行います。(通常日程のご案内

§ 形式
個別指導(同時に最大で3名まで)

§ 料金
入会費・年会費:なし

 小学5年生まで 2500円/時
 小学6年生・中学生 3000円/時
 高校生 3500円/時
 その他 5000円/時

(それぞれ、税別です。また、教材費は市販のものを使う場合、実費を徴収させていただきます。)

§ アクセス
豊島区南池袋2-47-6 パレス南池袋603

・池袋駅(JR,丸ノ内線,有楽町線,副都心線)からお越しの場合:徒歩8分
1) JR池袋駅東口、または、地下通路35番、または、43番出口を出る
2) 池袋駅を背に、大通りを直進(右側に交番がある大きな道です。少し行くと大きな交差点(東口五差路)がありますが、そこもそのまま直進します。)
3) ガソリンスタンド「ENEOS」の手前の道(「東池袋」の交差点)を右折
4) 道の左側、「パレス南池袋」と書かれた建物の、6階603号室です。(お寿司屋さんの隣、セブン-イレブンの斜向かいにある、グレーの建物です。1Fに、音楽スクールや歯科医院が入っています。)

・東池袋駅(有楽町線)からお越しの場合:徒歩4分
1) 2番出口をでて地上に
2) 目の前の大きな通りがあるので、横断歩道を渡り、右へ。
3) ガソリンスタンド「ENEOS」があるので、その奥の道を左折。
4) 以下、上記と同じです。

その他、雑司が谷駅(副都心線)からもお越しいただけます(徒歩10分)

§ お問合せ
toshihiro_oda@kurotake.net 宛にご連絡ください。
その際、どういった指導内容をご希望か、ご説明いただけるとありがたいです。


答えを出したいのか、正解したいのか。

子供が問題を解いているのを隣で見ていると、“正解する気”がないのではないか、と思うことがよくある。
やる気がない、というわけではない。真面目に取り組んでいない、というわけでもない。
やる気はあって、真面目に取り組んでもいるのに、ただ“正解する気”がない。

例えば、子供が「実力的には解けるはずの問題」を間違えるとき。
解き終わってバツがついてしまってから振り返ってみると、単なる“ミス”に見えることも多い。
そうすると、次から気をつけようね、で終わってしまう。
しかし、解いている様子を隣りでよくよく見ていると、実はその途中、一瞬動きが止まることに気づく。

どこかでミスをしたまま解き進めていると、多くの場合、「何かおかしい」と感じる瞬間がある。
解いている子供の動きが止まる瞬間、というのは、その「自分が“間違えた”ことに気づいた瞬間」である。
本来ならば、その時点で一度立ち止まり、もう一度さかのぼってやり直す必要がある。
だが、多くの子は“気づかなかった”ことにしてそのまま先に進んでしまう。そして、予定調和のごとく“間違った答え”を導き出す。

自分の間違いに気づいたとき、そこでどういう道を選ぶか、というのはなかなか難しい問題である。
それまで解いてきたものを白紙に戻し、もう一度解き直す、というのは、正直なところとても面倒くさい。そしてそれだけでなく、“問題解決”の瞬間が遠退くことになる。
算数・数学の問題を解くとき、脳に大きな負荷がかかる。間違いでも答えを出してしまえば、その負荷からは解放される。
結局そこで起きているのは、「間違えてもいいから答えを出してこの問題から解放されたい」という思いと「解き直すのが面倒でも正解にたどりつきたい」という思いのせめぎあいである。
ここで”正解する気”が弱いと、「そのまま解き進める」道を選んでしまう。

とはいえ、正解する気が弱い、というのが責められるべきことかというと、別にそうは思わない。むしろ、それが普通だと思う。
普通、入学試験のようなテストを除いて、普段の学校のテストや家で問題を解いているとき、“正解”して得られるものはそう多くない。
もちろん、正解すれば嬉しいが、言ってしまえばそれだけである。
一方で、間違って失うものも、実はあまり大きくない。テストで悪い点を取ったりするだけである。または、多少親や先生に怒られるだけである。
いずれにせよ、算数・数学の問題を“正解”するために大きな労力を費やすことは、普通は割に合わない。

だから、それでも“正解”にこだわる子、つまり算数・数学のできる子、というのは、単に「問題を解くのが楽しい」というのではなく、「問題が解けないと死んでしまう」子なのだと思う。
“正解すること”にプライドやアイデンティティ、つまり“命”を懸けている子なのだと思う。
そこまでのものを賭けているから、天秤は“正解を目指す”ほうに傾く。
(思い返せば、自分の周りにはそういう人が多かったし、自分も昔はそうだったような気がするが、一般的に見れば「変な子」なのだろう。)

正解することにこだわりを持てるようになれば、算数・数学ができるようになるまではすぐである。
ただそうは言っても、そういうメンタリティをどうやって育んでいくか、というのはなかなか答えの出ない問題ではあるし、そもそもそんな「普通の子」を「変な子」にしてしまってもいいのか、というのも永遠に解決されない論点ではある。